痔の手術 顛末記

ある40代会社員の痔の手術、入院の一部始終を日記形式でお届けします。

痔(内痔核)手術体験レポート 【第7報】

2003年12月29日 22:19

入院6日目の夜、しかし退院が明日30日に迫った最後の夜となりました。

さて、気になっていた排便がとうとう昨日の第6報を書いた後の午後2時頃にありました。たいへん長文になりますが以下に報告致します。

第6報を発信し終えて、部屋のベッドで一休みしているとなんとなくもよおしてきましたので、意を決して、部屋のトイレに準備万端整えて・・・ ここでいう準備万端とは排便があった場合、ウォシュレットで洗ったあと、ガーゼに軟膏を1cmほど塗ってあそこに貼るため、ガーゼ、軟膏、絆創膏を用意 ・・・便座にまたがりました。

以後、排便の情景は少々リアルなので、そのおつもりで。

軽くいきんでみましたが、ガスがプスーッと出るのみで5分しても出てきません。 病院でくれる「おしり日記」なる療養中の自己記録ノート(痛みや尿、便の回数、状態等を自己記録するもの)の注意書きには、排便は5分程度できりあげることとありましたが、ここは少し気長に踏ん張ってみる事にしました。

すると10分過ぎくらいに出口付近を押し広げる感覚と共に、何者かが痛みを伴って移動する感触が現れました。ここは一気にと行きたいところですが、かの悪夢のドバッと大出血の事態になりかねませんので、そーっといきんでみますと、別れの一撃のごとき痛みの後、ポトッとナニが水溜りの中に落ちました。続けてポトッ、ポトッと計3回の排便が達成されました。

水中を覗き込んでみると、いつもより太い3cm長の便が3個並んでいました。これは手術によって摘出された痔核が無い分、出口が広がった証と思われます。また、通常手術後数日は出血があると言われていましたが、水面に血も落ちていません。

ツーンとした痛みは伴いますが、激痛ではないので、これなら今後も何とかなると安堵した次第です。その後5分ほど粘りましたが、結局後続がなく、今回はこれにて切り上げる事にしました。

そしてお定まりの手順として、ウォシュレットで洗浄に移りました。しかし事件はここで起こりました。

通常は排便が無くても、患部を清潔に保つため、3-4時間おき位に、ウォシュレットで洗浄し、何もつけない新しいガーゼを当てます。

この洗浄の時、ウォシュレットの噴水は通常の「シャワー」というボタンでやると、手術後の患部には水流が細く強いので、噴出力の調整ダイヤルで最弱位にして使用します。もしくは「チャーム」といって肛門用の洗浄でなく、女性器洗浄用のより広範囲に弱い水流が吹き出るボタンがあります。私の場合、後者の「チャーム」ボタンで、噴出調整を中くらいにして、座る位置を前にしてあそこを洗うのがちょうど良く感じました。

したがって今回も「チャーム」ボタンで念入りに洗浄し、トイレットペーパーで水をふき取りました。
肛門部を拭いて、ふと見ると茶色い点が見えました。つまり「チャーム」では、便の洗い残しがあるんだと思い、そこで「シャワー」ボタンを押しました。

ここでまた注釈ですが、ウォシュレットを愛用されている方はよくご存知かと思いますが、あのシャワー水流はシュッと最初から出るのではなく、最初ちょろちょろ2−3秒出てから、やにはにシュッと出てきますよね。

つまりこの時の場合、「シャワー」ボタンを押したとき出てきたチョロチョロ水流は私のあそこにちょうど心地よかった訳です。「オーこれは具合が良い」と気を抜いた刹那、強烈な細い噴流があそこを突き刺しました。そうです、「洗浄」ボタンを押す前に噴出調整ダイヤルを最弱にするのを忘れていました。

あまりの激痛に腰を浮かして外したのですが、噴流は容赦なく背中に吹きつけ、前にかがむとトイレの天井にまで達しました。あわてて止めましたが、トイレ内は水が飛び散り、着ていた寝間着も濡れてしまいました。

一瞬ボーゼンとしましたが、まずはトイレットペーパーで濡れたお尻を拭きました。 そして肛門部を拭いた時にトイレットペーパーに血が付いていました。これは、排便によりにじみ出た血なのか、今の噴流によりあそこが裂けたものなのか判らず、一抹の不安を覚えました。

その後ガーゼに軟膏を乗せ、あそこに押し付け固定し、上着は濡れていましたが、かまわずズボンを履いて、トイレットペーパーで天井から、壁、床、便器を拭き、便器の中に捨てました。

喜び半分、後悔半分で長居したトイレを出て、寝間着を着替えました。

そんなことがあったため、記念すべき第1号排便は、写真を撮って皆さんにご披露できなくなりました。(見たくもないか)

この後、肛門の刺すような痛みが続き、今までのように病院内を歩き回ったり、座って落ち着いてPCに向かうことができなくなり、今回のご報告が遅れました。

ただこれにもオチがあって、夕食前に気が付いたのですが、昼食後に飲むべき痛み止めの薬を飲み忘れていました。したがって、今までの一連の痛みはもう少し緩和されていたのかもしれません。

さらに昨晩は相部屋の新入りのいびきに悩まされ、結局朝4時過ぎに起こされた後、寝付けなくなりました。寝るときだけ部屋変えてほしいなぁ。


入院6日目、29日(月)は外来診療最終日。明日から4日まで外来は休診です。しかし、今日配膳される昼食を見ると素うどんがあります。ということは明日も手術をするということで、とことん儲けますな、この病院。正月休みも満床状態で行くわけです。

今日は昨日の肛門の痛みを引きずっている状況でした。朝食8時、泡風呂9時半、ベッドでTV鑑賞、昼食12時、ベッドでTV鑑賞、検診2時、ベッドでTV鑑賞。流れるように日課が過ぎて、今日は4時から年内退院者(明日、明後日:大晦日)の退院者講習があると言うので参加しました。

4階のラウンジのテーブルに退院予定者なんと21人も集合しました。看護士がジュースか白ワインのサービスをしてくれます。もちろん白ワインを頂きました。といっても小ぶりのワイングラス1杯です。入院前日の発泡酒1本以来、6日ぶりのアルコールです。

退院者講習には先生が1人来られ、退院後の生活について注意事項を説明します。大筋は先の「おしり日記」に書いてある内容です。その後質疑応答。いろいろ切実な質問が出ましたが、いつからゴルフができますかという質問には退院後2週間との答え。そんなに早くしていいの?という感じです。
ただ当面、座ったままとか立ったままのように同じ姿勢で1時間以上いない事という注意がありました。ということは、会社出てからは、今まで以上に頻繁に席を立たなければいけません。用も無いのに席はずしが増えますのでご容赦を。


退院者講習風景(グラスワイン付き)。 
中央白衣が先生。


5時には早くも退院者用に退院後の薬が配られました。



上から下剤(寝る前に飲む)
緩下剤(便を軟らかくする)
痛み止め、痛み止めと併用する胃薬


便通を施す、食前に飲む
漢方薬


また、手術後のお尻をお手入れするいろいろなものもここでついでにご紹介します。入院後すぐに配られました)



肛門を消毒する消毒液



朝晩肛門内に注入する軟膏



左と同じ成分の軟膏
(傷に塗ります)

お尻にあてるガーゼ
(綿入り)

以上ひと揃え

お尻にやさしい座布団
「楽次郎」


2週間分とのことですが、いろいろあります。それと売店で真ん中が凹んだ「楽次郎」なる専用座布団¥2900を買いました。おなじみのやつです。

夕食後は8時前まで年賀状を書き、病院前のポストに投函しました。そして今10時。入院最後の夜です。

そうそう、看護婦さんに相方のいびきの話をしたら、「12時前なら睡眠薬渡せるし、もしそれ以降の夜中なら、ナースセンター前の部屋のベッドに空きがあるので、夜中言ってくれればそこで寝てもいいですよ。」と言ってくれた。

明日は朝から退院で忙しいので、薬で朦朧となるよりは、今夜いびきがひどかったら夜中にナースセンターへ甘えに行く事にする。いや、ひどくなって欲しい?しかし今、相方は静かである。

以上、長文ご精読感謝!